COMMON-LAW PARTNERSHIP / 一宮・名古屋・愛知

事実婚の契約書は必要?
暮らしと財産を守るための取り決め

婚姻届を出さずに暮らす二人に、契約書は必ず必要なのでしょうか。生活費・住まい・財産・将来の変化を整理し、作成を検討すべき場面と注意点を解説します。

生活費・住まい財産の管理関係解消時の精算
落ち着いた空間で契約内容について相談する場面のイメージ
写真は相談風景のイメージです。

事実婚の二人に契約書の作成が一律に義務付けられているわけではありません。ただし、生活費の分担、同居する家の扱い、共同で購入した財産、関係を解消するときの精算など、将来意見が食い違いやすい事項を文書に残すことには意味があります。

重要なのは「契約書を作れば法律婚と同じ権利が得られる」と考えないこと。二人の合意を整理する契約書と、相続・税制・医療機関の判断などの制度は別の問題です。まず何を決めておきたいのかを整理し、それに合った手段を選びましょう。

生活の約束を見える化

家賃・食費・光熱費などを二人でどう負担するか。

財産と名義を整理

預金・家具・住まいを誰のものとして扱うか。

将来の変化に備える

収入変動・別居・関係解消時の話し合い方。

事実婚の契約書は、どんなときに必要?

事実婚の関係であっても、日常の支払いを口頭の合意だけでうまく運用している二人はいます。契約書の作成がすべてのカップルに必要というわけではありません。一方、次のような場面では書面化を検討する価値があります。

  • 収入差が大きい:家賃や生活費を折半すると一方に負担が集中する。
  • 家の契約名義が一方だけ:住居費の負担や、万一の退去・別居時の対応が曖昧になっている。
  • 共同で大きな買い物をする:家具、家電、自動車などの負担額や所有を明確にしたい。
  • 互いに貯蓄や事業資産がある:個人の財産と共同生活の財産を区別したい。
  • 将来の生活設計を話し合う:病気、介護、転職、子育て、住み替えなどに備えたい。
反対に、急いで契約書を作らなくてもよい場合

現段階では大きな財産の共同管理がなく、生活費や住居のルールについて二人の理解が一致している場合などです。まず家計の分担表や共同支出の記録を作り、必要になった段階で専門家へ相談する方法もあります。ただし、将来の相続や名義に課題がある場合は別途検討が必要です。

契約書で話し合いたい7つの項目

条項を多く並べることより、二人の生活に合った内容を具体的に決めることが大切です。次の表は、相談前に整理したい代表的な項目です。

項目確認したい内容注意点
① 生活費家賃・食費・光熱費の負担割合、支払日、家計口座収入の変化に合わせた見直しも決める
② 住まい賃貸契約名義、同居費用、引越し・退去時の精算二人の契約で大家や金融機関を拘束できない
③ 預貯金・財産各自の財産、共同購入品、負担の証拠名義と支払いの実態を記録しておく
④ 借入れ・立替え返済者、返済期日、立替金の精算方法第三者に対する債務は当事者間の合意だけで変更できない
⑤ 家事・生活運営家事分担、介護・転職時の話し合い方一方の自由を過度に制限する条項は避ける
⑥ 変更・見直し収入減、転居、子どもの誕生などの変更時期変更は双方で確認し、書面に残す
⑦ 関係の解消荷物の引取り、共有物の精算、連絡方法実際の権利・法的評価は個別事情による

上記は検討項目の例であり、どの契約でも全項目が必要という意味ではありません。実際の条文は当事者の合意、財産関係、法令に合わせて検討します。

生活費の取り決めは、どう書けばよい?

例えば「生活費は公平に負担する」という一文だけでは、家賃・食費・通信費のどこまでを含むのか、負担割合をどうするのかが曖昧です。話し合うときは、次のように数字と手続きを分けて整理すると実務的です。

条項を検討するための例(そのまま使用する契約書ではありません)

「二人の共同生活に必要な家賃・光熱費・食費について、毎月の予算と各自の負担額を協議して定める。収入や居住状況に大きな変化があった場合には、負担割合を見直す。」

金額を固定するのか、収入に応じた比率にするのか、立替えが生じたらいつ精算するのか。二人の生活スタイルによって適切な形は異なります。こうした細部を話し合い、無理のない運用方法を決めていくことが契約作成の中心です。

契約書でできること・できないこと

目的契約書の役割契約書だけでは難しいこと
生活費の分担当事者間で負担の約束を整理する支払能力や将来の紛争を完全に保証すること
同居・住居家賃や退去時の協議事項を整理する賃貸人や住宅ローン金融機関の契約条件を変えること
財産の取り扱い所有・負担・精算の合意を明確にする登記など第三者への対抗要件を代替すること
相続将来の希望を共有する法定相続人の地位を契約だけで作ること
医療・介護希望や連絡先を整理する医療機関等に法律上の同意権を一律に認めさせること

特に重要なのは相続です。事実婚のパートナーは、法律上の配偶者としての法定相続権を当然には持ちません。財産を残したい場合、遺言など別の手段を検討する必要があります。一宮市の制度案内でも、パートナーシップ宣誓によって婚姻や相続、税制上の効果が生じるものではないと説明しています。

公正証書にした方がよい?

契約書は私文書として作成する方法と、公証役場で公正証書にする方法があります。どちらが適切かは、取り決めの内容、将来の立証への備え、費用の希望などで変わります。

公正証書は公証人が作成する公文書ですが、公正証書にすればあらゆる約束が強制執行できるわけではありません。 強制執行に関する扱いは金銭支払義務の内容や所定の要件などによります。生活ルール全般が自動的に強制執行できるわけではないため、期待する効果を事前に確認しましょう。

セレニテ行政書士事務所のパートナーシップ合意契約書(公正証書)作成サポートは110,000円(税込)です。公証人手数料などは別途必要です。事実婚のご相談に同プランを適用できるか、依頼内容に応じてお見積もりします。

一宮市・名古屋市で考えたい制度との関係

一宮市は、同性のカップルだけでなく、一定の要件を満たす事実婚の方もパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度の対象としています。この制度は二人の関係を自治体に宣誓するもので、生活費や財産の詳細を二人の間で取り決める契約書とは目的が異なります。

制度を利用できる条件や申請方法は自治体によって異なります。名古屋市など愛知県内で制度の利用を検討する場合は、愛知県の制度導入状況から、お住まいの自治体の最新案内を確認してください。

宣誓制度を利用したから契約書が不要になるわけでも、契約書を作ったから宣誓が必要になるわけでもありません。希望する生活や備えに合わせて判断します。

行政書士に相談する前に整理しておきたいこと

  1. 二人の希望を別々に書き出す生活費・住まい・財産・将来の備えについて、同じ考えか確認します。
  2. 名義と負担を整理する賃貸契約、共同購入品、口座、借入れなどの現状を把握します。
  3. 決められていない事項を確認する曖昧な部分を無理に契約へ入れず、二人で話し合うことを整理します。
  4. 書面化の範囲と費用を確認する私文書・公正証書、修正対応、実費などを確認します。

行政書士は、当事者間で合意ができている契約内容の書面化などを支援できます。一方、当事者間の争いがある場合や相手方との交渉代理が必要な場合は、弁護士への相談が適切です。

二人の生活に合った契約書を相談したい方へ

セレニテ行政書士事務所では、パートナーシップ合意契約書の作成支援をご案内しています。まずは取り決めたい内容と、公正証書を希望するかどうかをお知らせください。

パートナーシップ契約書のサービス案内

事実婚と契約書についてよくある質問

事実婚のカップルは必ず契約書を作る必要がありますか?

いいえ。法律上一律に作成が義務付けられているものではありません。生活費や財産の管理など、明確にしておきたい取り決めがある場合に検討します。

同居していれば、自動的に事実婚と認められますか?

同居だけで一律に判断できるものではありません。事実婚に当たるかは共同生活の実態や婚姻意思に相当する意思など、個別の事情によって判断されます。

契約書を作れば法律上の夫婦と同じになりますか?

いいえ。二人の合意を書面にしても、法律上の婚姻をしたことにはなりません。相続や税制、各制度の対象要件は個別に確認が必要です。

賃貸住宅の契約名義を二人の合意書で変更できますか?

二人の契約だけで大家や管理会社との賃貸借契約の名義を変更することはできません。名義変更や入居条件は賃貸人等と確認する必要があります。

生活費を半分ずつ負担すると決めるべきですか?

必ずしも折半が適切とは限りません。収入、住居費、家事・育児の負担などを考慮し、二人が納得できる方法を検討しましょう。

事実婚の契約書があればパートナーに財産を相続させられますか?

契約書だけで法定相続権が生まれるわけではありません。財産を残す希望があれば、遺言などの別の備えを検討する必要があります。

公正証書にすれば、どの約束も強制執行できますか?

いいえ。公正証書の内容と法律上の要件によります。金銭の支払いに関する一定の条項などと、生活上の約束とでは扱いが異なります。

事実婚の契約書の作成を行政書士へ相談できますか?

双方の合意がある契約内容の書面化について相談できます。紛争や相手方との交渉が必要な場合は、弁護士への相談をご検討ください。

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